盗聴法<組対法>に反対する市民連絡会 >【イベント報告集】
   

9・15
コンピュータ監視法検討・学習会

 

2011年9月15日

9月15日、コンピュータ監視法の問題点の検証と今後の運動の進め方を検討する学習会を開催した。参加者は30人。

6月17日に成立したコンピュータ監視法は、24日に公布、7月14日、ウイルス作成罪などの刑法部分が施行された。衆参法務委員会合わせてたった7回という短い審議だったが、審議する中で数々の問題点が明らかになった。主催の盗聴法に反対する市民連絡会の角田富夫さんから問題点の指摘を、弁護士の山下幸夫さんからはこれら問題点の解説とこれから出てくる課題について伺った。

角田さんからの指摘は4点。
(1)ウイルス作成罪は、使われてもいない作成しただけで処罰されるので表現行為の侵害になり、またウイルスかどうかの立証方法が問題になる。
(2)電子データの差押えや通信記録の保全については、当事者に通知なく行われ、事後通知や不服申し立て制度がない。
(3)通信履歴のリアルタイム収集については江田前法務大臣が審議の中で検証令状でできると発言しており、(3)同様、事後通知がなく不服申し立てもできない。
(4)新しい捜査手法として携帯電話のGPS機能による位置確認も検証令状で行おうとしている。

山下さんは、これらの問題点について条文に沿って解説、中でもネットワークで接続されたコンピュータのデータをリモートアクセスによって差押えることが可能になったことや通信履歴の保全要請においては、プロバイダ等事業者が応じない時は強制処分としての差押えを実施 し、守秘義務も課す。
通信履歴と通信内容の両方が保全されている場合、両方が差押えられる可能性があると指摘された。
さらに通信履歴のリアルタイム収集について「サイバー犯罪条約20条が定めており、批准すれば法改正することなく、検証許可状で収集を可能にする。通信記録であれば盗聴法でやるべきだが、制限が多く警察としては使いづらい法である。こちらは犯罪の限定はなく、立ち会いも必要がなく、事後報告もいらない。法律で要件を定めるべきである。」と言われる。
また「GPS機能による位置探索捜査については、所在不明の被疑者を逮捕するのが目的だが、検証許可状で携帯電話会社に情報を提供させるものであり、プライバシーの侵害につながり、警察が国民の知らない所でGPS機能を使うことが問題である。日弁連は8月26日に意見書を提出した。」とのこと。最後に「警察は中央集権型ネット捜査を実施しようとしており、コンピュータ監視法はネット監視社会をもたらすだけでなく、警察に大きな捜査権限を与えてしまった。」
さらに「法務省は今後、通信傍受の犯罪の限定をなくし、会話の傍受(室内盗聴)を可能にするべく、盗聴法の改悪を狙ってくるだろう。ドイツでは憲法を改正して行っている。」とも述べた。

参加者で今後の取組みとして、コンピュータ監視法の廃止を求めていくと同時に、通信履歴の保全要請を当事者に通知することや不服申し立ての制度などを求めていくことを確認した。