(1)たとえ話
「ここでたとえ話を一つしよう。よその国の話である。その国の警察は、清潔かつ能率的であるが、指導者が若いせいか、大義のためには小事にはこだわらぬといった空気がある。そんなことから、警察の一部門で、治安維持の完全を期するために、法律に触れる手段を継続的にとってきたが、ある日、これが検察に見つかり、検察は捜査を開始した。やがて、警察の末端実行部隊が判明した。ここでこの国の検察のトップは考えた。末端部隊による実行の裏には警察のトップ以下の指示ないし許可があると思われる。末端の者だけを処罰したのでは、正義に反する。さりとて、これから指揮系統を遡って、次々と検挙してトップにまで至ろうとすれば、問題の部門だけではなく、警察全体が抵抗するだろう。その場合、検察は警察に勝てるか。どうも必ず勝てるとはいえなさそうだ。勝てたとしても双方に大きなしこりがのこり、治安維持上困った事態になる恐れがある。
それでは警察のトップに説いてみよう。目的の如何を問わず、警察活動に違法な手段をとることは、すべきでないと思わないか。どうしてもそういう手段をとる必要があるのなら、それを可能にする法律をつくったらよかろう、と。
結局、この国では、警察が、違法な手段は今後一切とらないことを誓い、その保障手段も示したところから、事件は一人も起訴者もださないで終わってしまった。検察のトップは、これが国民のためにベストな別れであったといっていたそうである。こういうおとぎ話。
我が国でも、かりに警察や自衛隊というような大きな実力部隊をもつ組織が組織的な犯罪を犯したような場合に、これと対決して、犯罪処罰の目的を果たすことができるかどうか、怪しいとしなければならない。そんなときにも、検察の力の限界がみえるであろう。もっとも、そのときはそのときで、どこかの国のように知恵を動かす余地がないでもないが」
(『秋霜烈日 検事総長の回想』伊藤栄樹 朝日新聞社 165〜167ページ)
(2)盗聴法廃止を求める民主党マニフェスト
2005年民主党マニフェスト政策各論13 暮らしの安全・安心
「5.盗聴法、住基ネット法、個人情報保護法を見直します。政権獲得後ただちに、盗聴法の運用を凍結し、2年以内に抜本改正の法律案を国会に提出します。また、住民基本台帳法の住基ネット条項と個人情報保護法についても、即
時に見直しに着手し、抜本改正のための法律案を国会に提出します。」
(3)これが盗聴法廃止法案だ
第147回国会
参第7号
刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
(刑事訴訟法の一部改正)
第1条 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の一部を次のように改正する。
第222条の2を削る。
(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律の廃止)
第2条 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11年法律第137号)は、廃止する。
附則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(中央省庁等改革関係法施行法の一部改正)
2 中央省庁等改革関係法施行法(平成11年法律第160号)の一部を次のように改正する。
第329条を次のように改める。
第329条 削除
第149回国会
衆第一号
刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
(刑事訴訟法の一部改正)
第1条 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の一部を次のように改正する。
第222条の2を削る。
(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律の廃止)
第2条 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11年法律第137号)は、廃止する。
附則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(中央省庁等改革関係法施行法の一部改正)
2 中央省庁等改革関係法施行法(平成11年法律第160号)の一部を次のように改正する。
第329条を次のように改める。
第329条 削除
(4)盗聴法廃止法案、衆議院で3回、参議院で8回、計11回提出さる
盗聴法、第145国会(1999年)で成立
参議院8回
第147国会(参議院議案受理2000年3月21日、衆議院予備審査議案受理同年3月22日)
江田五月君外9名 刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
第149国会(参議院議案受理2000年7月28日、衆議院予備審査議案受理同年8月1日)
江田五月君外10名 刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
第150国会(参議院議案受理2000年11月28日、衆議院予備審査議案受理同年11月30日)
江田五月君外10名 刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
第151国会(参議院議案受理同4月27日、衆議院予備審査議案受理2001年5月2日)
江田五月君外10名 刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
第153国会(参議院議案受理2001年12月4日、同12月6日)
千葉景子君10名 刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
第154国会(参議院議案受理2002年7月30日、同7月31日)
千葉景子君外11名 刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
第155国会(参議院議案受理2002年12月6日、同12月10日)
千葉景子君外11名 刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
第156国会(参議院議案受理2003年6月27日、同7月1日)
千葉景子君外11名 刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
衆議院3回
第149国会(衆議院議案受理2000年8月4日、参議院予備審査議案受理同年8月7日)
日野市朗君外3名 刑事訴訟法の一部を改正する等の法律案
第150国会(衆議院議案受理2000年11月28日、同11月29日)
日野市朗君外3名 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律を廃止する法律案
第151国会(衆議院議案受理2001年5月8日、同5月9日))
佐々木秀典君外3名 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律を廃止する法律案
(5)拡大する盗聴捜査(国会報告まとめ)
2011年までの情報 2012年02月21日 更新しました。 PDF(127KB)
|